ザ・ピーナッツの Look at Yourself いやぁ コブシが利いてるなぁ
2009年 06月 20日
生まれて最初にファンになったのが、ザ・ピーナッツだった(のだそうだ)。ほとんど記憶に
ないんだけどね。おそらく4~5歳くらいだろうか。ザ・ピーナッツもデビューしたてかな。
きっとジュークボックスかTVで聴いたのだろうけど…いや、歌そのものより、そのキュートな
感じが気にいったのかもしれないな。とにかく、いまでもなにかの拍子に小さな頃の話題が
出ると、「ザ・ピーナッツとキャデラックが好きだったよなー」という話になるのである。
確かにキャデラックが好きだった記憶はある…だがザ・ピーナッツは…。とはいえ、
「シャボン玉ホリデー」「ザ・ヒットパレード」そして「モスラ」では強烈な印象が残っているかな。
ぼくと同世代の人はだいたいそんなもんでしょ。で、そんな話はどうでもよくって、
そのザ・ピーナッツに「ザ・ピーナッツ・オン・ステージ」というアルバムがある(この当時は
エルビス・オン・ステージという映画以来、やたらと××オン・ステージという題名が多い)。
これが時代を反映して…とはいえ、なーんだか変な選曲なんだよね。いったい誰が
選曲したんだろう。まぁ、持ち歌はいいとして、どんな曲をやっているかといえば、
オープニングがユーライア・ヒープの「対自核-Look at Yourself」、キャロル・キングの
「イッツ・トゥ・レイト」、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「プラウド・メアリー」
と続くのだ。さらに「バック・オブ・ブーガルー」からキング・クリムゾンの「エピタフ」。
で、なぜか、ウエスタン・カーニバルのような「監獄ロック~レモンのキッス~ダイアナ~
恋の片道キップ~ミスターべースマン~悲しき雨音~ビーマイベイビー」という50’sの
POPSメドレーをはさんで、おもむろに「ゴッドファーザー 愛のテーマ」へといっちゃうのだ。
すごいでしょ。わけわかんないでしょ。この、なんでもありの貪欲さに日本の「歌謡曲」の
凄みを感じずにはいられませんね。さらにこのアルバムの面白いところは、
バックバンドが、当時(1972年)もっともアブラが乗っていたビッグ・バンドのひとつだった
東京ユニオン(ジャズ界では意欲作を発表していた)だということ(ザ・ピーナッツといえば
スマイリー小原とスカイライナースだと思っていた)。営業とはいえ、バディ・リッチや
メイナード・ファーガソン風のなかなかにパンチの効いたサウンドを提供している(もちろん、
いまの耳にはいささか古臭いし、気恥ずかしいところもあるけど、悪くはない)。
なぜか、エピタフだけはオリジナルに近いんだけどね(料理しにくかったのかな)。
てな感じで、この無節操ぶりは面白いので、興味をもった人は聴いてみるとよろしい。
ただし、英語の発音がちょっと切ないのは我慢してね。まぁ、この発音が昭和っぽい
といえば、ぽいのかもしれないけどね。それともうひとつ、ザ・ピーナッツって意外なくらい
コブシがまわるんだよ。ある種、演歌(艶歌)的でもある。いうことで、お終い。
(書いている脇のTVでは、美空ひばりが「人生一路」を唄っている、なかなかいいわ)
by koz-mic
| 2009-06-20 00:12
| 今日のiショットノート