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これは日記ではありません。じゃ、なんだ、と、言われるとよくわかりません。それでもよろしければ見てってください。


by koz-mic
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ジャクソン・ポロックを 気取った 汚いコンクリ塀 本日 ランチ時のiショット  

ジャクソン・ポロックを 気取った 汚いコンクリ塀 本日 ランチ時のiショット  _d0008994_17125220.jpg

風雨に晒された塀というのは、なかなか面白い表情を見せる時がある。
だから、じっくりと汚い塀をながめるのが好きだ。この写真は昼食時に歩いていて
見かけた民家の塀、いや、正しく言うと塀の土台だ。50年代にジャクソン・ポロックが
アクション・ペインティングを始めた頃の絵(もっと絵の具の飛沫が細かいか)の
ようでもあり、ネオ・ダダ時代の篠原有司男のようでもある。まぁ、色が違うけどね。
携帯のカメラモードを室内にして外光で撮るとこんな色。わりと好きです。
壁や塀(コンクリート、土、木を問わず)のテクスチャを面白いと思う人は多いようで、
こういうのばっかり撮っている人もいるくらい。こういった抽象性と偶然性には
とても原初的な魅力が宿っている。やはり諸行無常であることと関係してるかな。

ん~Deepだ。ということで「song of the deep」。おそらくChris Speddingの
唯一のジャズ・アルバム「Songs Without Words=無言歌」の中の1曲。
ま、すべてインストなので無言には違いない。クリス・スペディングというギタリストを
知ったのはイギリスのマイルスと呼ばれていたイアン・カー(マイルス研究家としても
有名)の「Nucleus=ニュークリアス」というバンドのメンバーだったときある。
1970年代初頭のイギリスのジャズシーンは…というと、まさにジャズロック
(くれぐれも今で言うフュージョンと混同せぬようにね)の時代。そのなかにあって
ニュークリアスはソフトマシーンとならびジャズロックシーンをリードしていましたね。
まぁ、ソフトマシーンは「6」以降、カール・ジェンキンス、ジョン・マーシャルという
元ニュークリアス勢に乗っ取られたようなもんだしね。そのニュークリアスで
注目を浴びたのが、クリス。この頃、ジョン・マクラグリン、ラリー・コリエルとともに
3大ジャズロック・ギタリスト(3大なんとかがマスコミは大好きだ)と言われていた。
しかし、クリスはジャズロックにはぜーんぜん関心がなかったんだと思う。
彼は自分のことをきっと根っからロケンローラー(皮ジャン、リーゼントだもん)だと
思っていたに違いない。それもエディー・コクランやカール・パーキンスのようなね。
それもあってか、彼がつくったジャズ・アルバムはこれしかないんだと思う。
さらにクリスはギタリストとして、マクラグリンやコリエルに比べると、とても
器用なのだろう。ものすごい数のスタジオワークやセッション、ツアーに
参加している。それもジャズからロック(それもあらゆるタイプ)、ブルース、
フォーク、ポップス、ミュージカル、サントラ、イージーリスニングまでである。
さぞや、稼いだことでしょう。そして、それほどにギタリストとしての腕は
高い評価も得ていたということ。聴くとちゃんと存在感をしめしているもの。
で、彼自身はというと、せっせとオリジナルのロックンロール・アルバムを
つくり続けていた(いる)。もちろん、本人はギタリストという意識より、
ボーカリストという意識のほうが高いのか、歌いまくっています。
だから自分のアルバムではギターソロなんかぜーんぜん興味なし。
ぼくは、彼のアルバムを買って何度煮え湯を飲まされたことでしょう。
まぁ、好みの問題もあるんだろうけど、好きな音楽とその才能が違うところに
ある感じがしたものだ。たとえば、エリオット・マーフィーのライブ・アルバムに
ゲストとして参加しているけど、すごいカッコいいギターを弾いている。
なぜこういう音楽をやらないのか不思議でしょうがないんだよなー。

それは今回の「Songs Without Words=無言歌」にも言える事。
この世界を追求していったら、カッコいいジャズをつくっただろうに。
「song of the deep」は3曲目に入っている曲で、ソリッドでちょっと
フリーフォームなジャズギターを聴かせてくれる。それは1曲目の
「Station Song」もそう。2曲目の「Plain Song」はパット・メセニーが
「80/81」でやったようなフォーク・ジャズともいえるアプローチである。
ぼくは好きなアルバム。このアルバムはトロンボーンのワンホーンという
わりと珍しいバンド構成。トロンボーンはポール・ラザフォードが参加していて、
とても味わいのある演奏を聴かせてくれている。

2日続けて書いたら長くなっちまった。ブリティシュ・ジャズおよび
ジャズロックシーンについても書きたかったけど、これまた長くなるから
そのうちにします。どうせ興味ある人少ないだろうしぃ。面白いのになぁ。
by koz-mic | 2005-10-21 17:15 | 今日のiショットノート