Portrait in Jazz
2010年 04月 22日
といえば、ジャズファンなら瞬間、スコット・ラファロ、ポール・モチアンを擁したビル・エヴァンス・トリオの名盤を想起する。なにせ、「Come Rain or Come Shine」、「Someday My Prince Will Come 」、「Blue in Green」をはじめエヴァンス・ファンを魅了する演奏がぎっしりなのだ。そしてエヴァンスの端正で理知的なピアノとともに、スコット・ラファロという天才を世に知らしめたアルバムでもある。なーんて今更のようなことを書こうと思ったのではなく、この「Portrait in Jazz」は本なの。 和田誠が描いたステキなジャズ・ミュージシャンの肖像画に、村上春樹が文章をつけた本である。えーと、ぼくが持っているのは1997年の初版(その後、2も出版)。村上春樹がそのミュージシャンたちへの想いを語りつつ、自分の好きなアルバムを紹介しています。ジャズにどっぷりとはまっている人は、新たにジャズへの想いを喚起させられるだろうし、ジャズを聴いてみたいという人にはいい入門書になると思う。和田誠と村上春樹というベテランジャズ愛好家の想いが染みてきていいよ。ま、なにせ1Q84がバカ売れ中の村上春樹、すこし違う角度から彼を読むのも悪くないかと書いてみました。あ、ついででなんだけど、村上春樹が翻訳したビル・クロウの「ジャズ・アネクドーツ」、「さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想」もあわせて読みましょう。きっとあなたはジャズにズブズブとはまっていく。それでも足りなければ、「Portrait in Jazz」で紹介されてるものを集めたオムニバスCDも出ているから、それも聴くとよろしい。
by koz-mic
| 2010-04-22 00:34
| 今日のiショットノート